入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

川口の古を考える

七郷(ななさと)神社裏遺跡・戸塚3丁目地点調査 [6]

◇2号住居跡

平面形態は隅丸方形で、一辺4.2mを測ります、床面の保存状態は良好で、中央から各ピット際にかけて広い範囲にかけて踏み固められています、炉跡は2箇所あり、主炉は西寄りにあり長楕円形を呈しています、副炉は主炉の60cmほど北側で楕円形であまり被熱していません、ピットは壁際に沿って8箇所検出されていますが、北東壁コーナーにみられるものは貯蔵穴と考えられます、東壁際中央には、入口部施設と考えられる深さ45cmほどのピットがあります、掘り込みはいずれも15~20cmと浅く主柱穴らしいものは検出されませんでした、遺物は破片のみで、すべて流入によるものと思われます

◇3号住居跡

西側を道路で切断されており、全体は明らかでありませんが、隅丸方形で一辺3.3mほどのプランになると考えられます、床面の保存状態は良好です、炉は西側の一部をを欠きますが43×22cmの長楕円形を呈しています、ピットは6箇所検出されました、東壁際にある2箇所のうち北側のものは、径15cmの円形で20cmの深さをもち貯蔵穴と考えられます、主軸上にある20×15cmの楕円形のものは位置からみて出入口施設に関するものと思われます、出土遺物は少なく、いずれも土器片であるが、流入のようです

◇4号住居跡

平面形態は、北西壁と南東壁がやや胴張りの隅丸方形です、長軸3、7m、短軸3、6mです、床面の保存状態は良好で、特に炉の周辺部が踏み固められています、炉は中心よりやや北西壁寄りにあり、70×55cmの楕円形です、南東壁際に35×40cmの楕円形のピットが検出されていますが、貯蔵穴と考えられます、その他にピットは6箇所確認されていますが、いずれも径10×20cm深さ10cm程度で浅いもので、柱穴と考えられます、遺物は土器ですが、覆土中のものと床面のものとに分れます、覆土中のものは、壁際から中央に向って流入したようです、床面出土のものは、南壁コーナー部や、炉の南側で出土しています

◇5号住居跡

東壁際に凸帯状の高まりをもつ特徴ある住居で、火災を受けています、平面形態は隅丸方形で、3、7×3、2mです、床面の保存状態は良好で比較的平滑です、凸部は110×65cmの長方形で、東壁に据え付けられており、黒褐色粘質土で構築されています、上面はほぼ平坦ですが、中央部が凹みをもつ火床面となっています、位置的にみて炉跡とみるのは躊躇されますが、通常の位置に炉跡が見つかっていません、ピットは7箇所検出されましたが、いずれも柱穴と考えられます、遺物は、凸帯に埋めつけられる状態と、その北側に横倒しの状態、床面中央付近から押しつぶされた状態で出土しています