入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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川口の古を考える

七郷(ななさと)神社裏遺跡・戸塚3丁目地点調査 [5]

◇1号住居址

この遺構では、焼土の広がりが全面的に見られ、壁際から中央に向って放射状に崩れ落ちたと考えられる炭化材が検出された焼失住居と思われます

平面形態は方形で、床面は炉を中心とする周囲が踏み固められていますが、炉は北寄りに偏在しています、ピットは6箇所検出されていますが、北東壁際に存在するものは38×33cmの楕円形で貯蔵穴と考えられます東側に見られるものは、入口部施設に伴うピットと考えられます

出土遺物はいずれも床面直上で、焼土層が覆いかぶさり、火災直前の位置関係がよく残されていたものと考えられます、土器は完形に近い一括資料が北から北東壁に集中して出土していますが、出土の状態は注目されます

壷の上半部を器台に転用し、底部を欠いた鉢を重ねたような状態で出土したことです、鉢には煤が付着し、内面も2次的な火熱による剥落が認められたことから甑(こしき)セットとして転用されたものと思われます、さらに、この甑(こしき)セットを囲むように甕や壷が出土しています、甑(こしき)セットそのもを祀ったような出土のしかたであり、大切に扱われていたことを示す状態です、図3は炉の北側のピット内に伏せた状態で出土しています