入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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川口の古を考える

七郷(ななさと)神社裏遺跡・戸塚3丁目地点調査 [7]

◇8号住居跡

調査区域中最も大型の住居跡です、平面形態は隅丸長方形で、長軸5.4m、短軸4.8mを測ります、炉はやや東側にあり、80×50cmの卵形で、底面は皿状となっています、ピットは壁際に沿って9箇所検出されました、南壁際のものは貯蔵穴と考えられます、他は柱穴と思えますが明確に主柱穴と思われるものはありません、遺物は完形土器が床面から5個出土しています、南東壁コーナーで鉢が、南壁中央で小型壷が転倒した状態で、更に炉内から小型壷がつぶれた状態で出土しています

調査された10軒の住居跡は平面分布による限り重複関係はないようですが、1号と2号、8号と9号は近接しており、上屋を考えた場合重複する可能性が強いようです、また、主軸方向にも相違がありますので、同一時期に存在した住居跡ではないようです

出土した土器は、台付甕・高坏・鉢がありますが、小型坩や小型器台は伴っていません、器種構成・文様・器形・成形などからみますと、弥生町式土器の伝統がまだ残された土器群といえますが、弥生時代後期終末の一段階に位置ずけられるようです

あえて、時期分類をしてみますと、Ⅰ期は平面形態が隅丸方形胴張りの傾向が強く、主軸は北西方向を示しており、比較的大型の7号を中心とするグループです、Ⅱ期は大型の8号を中心とするもので被火災の1・5・10号と6号のグループです、平面形態も方形化が進んだものです