入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

35・里字屋敷添第2遺跡⑰里字屋敷添1180B地点調査

調査期間     平成12年4月17日~5月19日

この調査地で最も大きな溝跡は、SD21ですが、17~19世紀の瀬戸・肥前系の近世陶磁器の他、焙烙、鉄製品、寛永通宝、木製品など多種多様な遺物が認められました

また、ほぼ同様な年代幅で大型井戸跡が5基集中して検出されました、底部には桶や木枠の井戸側が設置されています、桶の井戸側が設けられている井戸跡の年代は18世紀以降と考えられます、18~19世紀の間に多くの井戸が繰り返し掘削され、当時の井戸の掘削サイクルも想像されます

調査地は、近世里村の名主であった船津家とその分家の宅地の一部でした、本家の船津家は近世日光御成道鳩ケ谷宿の本陣を代々勤めた船戸家4代の末子が17世紀末の元禄2年(1689)にこの地に分家し今日に至っています

今回出土した多くの瀬戸・美濃窯の陶磁器や肥前窯系の染付磁器、あるいは、漆器・下駄などの木製品など、多く検出された遺構の数々はその史実を裏付けるものでしょう、また、現在の本家と分家の敷地境の直下に検出された南北軸のSD05はその境界のために掘削された溝跡と考えられます