入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

37・里字屋敷添第3遺跡⑪里字屋敷添1279-1他地点調査

調査期間    平成11年6月1日~8月20日

この調査では、中世から近世にかけての大溝1条、溝跡14条、井戸跡16基、土坑38基、小穴93基が検出されました、また、各遺構に切られる状況で、地震の液化現象である砂脈(噴砂)が確認されました

出土遺物としては、井戸跡から応永3年(1396)銘の板碑破片や土坑から瀬戸美濃志野皿とカワラケの一括出土がみられます、その他、瀬戸の天目茶碗、在地内耳土器の焙烙などがあります

井戸跡は大型のものが多くみられます、調査地の地山は砂と粘土質の地山質の土が互いに層をなしている部分が多く、自然堤防としての発達は充分ではなく、砂脈も認められるような砂層を含み脆弱な地盤であるためのようです、ここに井戸を掘ると壁面は崩れやすく、崩壊は早く、崩壊と新規の掘削を繰り返すうち、大型の井戸となり、その跡が多数残されたと思われます

調査地は最近まで水田であり、調査時には埋め立てられていたのですが、生活感のある陶磁器が出土し、多くの井戸跡や土坑が検出されていることから、人間が生活していたことは確実と思われます、最も新しい出土遺物は19世紀の磁器であることから、それ以降に削平して水田化したものと推定されます

また、3条の砂脈(噴砂)が検出されており、東西方向主軸の溝跡とほぼ平行関係にあり、溝を掘削する目的との関係を暗示しているようです