入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

47・里字屋敷添第4遺跡③里字屋敷添1221-1他地点調査

調査期間    平成8年10月21日~9年2月7日

この調査では、主として中世の13~17世紀の遺物が出土していますが、その主たる遺構の時代は15~16世紀に属すると思われます、5本の大溝、10基の井戸、火葬跡1基、平行する小溝が多数掘り重ねられた集合溝が3群、中世に属すと思われる掘立柱建物跡が1棟、火を燃やした痕跡を残す焼土集中部が2ヶ所検出されました、この他、土坑や多数の中小の溝やピット、近世の長方形土坑2基も検出されています

これまでの調査では検出されたことのない直径が2mを超える大型の井戸が3基見られ、昇降のためと思われる2本の階段状の切り込みがあるものもあります

多数の板碑が西側の井戸や大溝から出土し、内1点は阿弥陀3尊、北朝の暦応2年(1339)の完形品で、殆ど摩擦しておらず、全長が1、3mもある立派な板碑です、これには「本寺大檀那・行連大禅定門」と刻まれ、周辺に中世寺院が存在していた可能性を示唆しています

他の出土遺物では甕・摺鉢、カワラケ、青磁碗破片、古銭、竹質の編物、馬の骨片、鹿の角があります

この調査地は館の区画溝とも推定される大溝や掘立柱建物、大井戸の存在などから、水田化以前の時代には15~16世紀を中心とした濃密な生活空間が展開されていたと思われます