入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

37・里字屋敷添第3遺跡②里字屋敷添1226-1他地点調査

調査期間   平成8年8月19日~10月21日

この調査で検出された遺構は、幅4mに及ぶ大溝のSD03が1条の他、中小の溝が33条、井戸跡が11基、全体は未確認ながら直径が2mを超える大型土坑SK205の1基を含む土坑が18基、その他に多数の小穴です

大溝のSD03からは、中世の15世紀後半のものと思われる摺鉢や甕などの陶磁器・カワラケ・板碑の石材でもある緑泥片岩が、また、中小の溝や土坑からは、近世(江戸時代)の陶磁器やホウロク・火打石などが出土しました、井戸跡の検出は11基と比較的多いのですが、出土遺物が少ないため、その所属時代は明確ではありません、調査地は水田として利用していた地点であるので、これらの井戸があったのは水田化以前と思えます

生活感のある井戸跡などが検出されたことからも、自然堤防を削平して水田に開発されたことが明らかになり、周辺一帯は江戸時代末には既に水田として利用されていたことは確かと思われ、この新田開発は、それ以前のことのようです

この他に、大地震の発生時に起きる砂脈(噴砂)が、中小の溝と平行して東西方向に検出されました、砂脈の最大幅は40cm、長さ50m以上も続いています、この砂脈列は大溝に切られているので、中世15世紀以前に発生した震度6以上の大地震によるものと思われます、(砂脈については、後に、別項で考えることにます)