入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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鳩ケ谷の古を考える

前田字六反畑第1遺跡・南4-25-1他地点調査〈5〉

◇井戸跡

井戸跡は3基認められ、素掘りと木組の構造に分けられます、第1号井戸跡は、平面形は隅丸方形で1、2×1、1mです、浅い摺り鉢状で中央を一辺65cmの正方形に深さ1、35mまで掘り下げ、壁に木枠を設けています、更に、そこから直径40~50cmの円形で、60cm程下げて砂層まで掘りぬいています、確認面からの深さは約2、4mで、断面形は段のある漏斗状です

木組の構造は、長さ65cm、幅15cm、厚さ5cmの縦の板材を正方形の掘り方の底面に東西壁に敷き、少々壁に打ち込んでいます、その上に幅65cm、厚さ6~7cmの一枚ものの縦板を乗せ、その間に幅50cm、厚さ6~7cmの縦板を鋏み込んでいます、側板の下部には2ヶ所取水口とも思われる方形の切り口が作られています

第1号井戸跡からの遺物は、土師器、須恵器、灰釉陶器、緑釉陶器の土器類、横櫛や栓状の木製品、ひょうたん、植物遺体などです、井戸底から1m上位で口縁を打ち欠く灰釉陶器長頸瓶、60~70cm上位で桃核、ロクロ土師器椀と転用硯の須恵器の一群、井戸底直上から「大?」「有」墨書のロクロ土師器椀、その上からは横櫛などといった完形品もしくは打ち欠き品が出土しています、少なくても4回ないし5回の異なる祭祀儀礼が行われたことが観察できます、その他上層からの出土は、細かい破片で流転したものが主ですが、その中でも緑釉陶器三足盤の破片は特に注目されます

第2、3号井戸跡は素掘りで、遺物も各種ですが、圧倒的に土師質土器が多いようです、ただ、その中で注目されるのは第2号井戸跡出土の舶載白磁碗の口縁部破片です