入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

鳩ケ谷の古を考える

これまでに学んできた三ッ和遺跡の総復習・鎌倉室町時代〈2〉

第9次調査地点では、13~14世紀の遺物と遺構がまとまって検出されています、特に、幅3m深さ1mの規模の第11号大溝は、南に接する第6次調査で検出された第1-c号溝の延長であり延べ10mにわたり直線的に南北に延びています、第6次調査地点では、13~15世紀の遺物が検出されていますが、その中心は13~14世紀にあり、溝跡2条・井戸跡7基・土坑2基のほか多数の小穴が認められています、この他に15~16世紀の遺物や遺構があります、遺物は山茶碗窯系捏鉢・常滑窯の捏鉢や甕・瀬戸窯の壷や平碗などの国産陶器と共に青磁の縞蓮弁文碗や白磁の口禿皿など中国からの舶載磁器の出土も多く、その他、市内での出土例は少ない伊勢系土鍋の口縁部破片が認められており、当時の有力者の館的性格を呈しています

伊勢系土鍋は第10次調査地の第5号井戸跡からも出土しています、南北に接する第6次と第9次調査地点を通じて大溝は調査地の東端を南北にあるためその東側は不明ですが遺構の広がりは大溝の西側となります、両調査地の特徴として13~14世紀の遺物が濃密に出土した点があげられますが、密度的には南側の第6次調査地側にその中心がありそうです

また、中世遺跡特有の小穴は多いのですが、全ての小穴の年代分類は不可能であり、単純にその時代別の多寡を比べることはできないのですが、おおまかな目安として1㎡当たりの検出数でみますと、第9次調査地では0、5基に対し第6次調査地では1、4基となっています