入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

三ッ和遺跡・第3次調査(八幡木871他地点)及び八幡木1-18-10地点調査

平安時代(主として9世紀)の遺物、遺構としては、第2号井戸跡があります、この井戸跡は直径が2mで断面が中膨らみの形状で、その断面形は、側壁の崩落によるものかは明確ではありませんが、底部には、ヒノキの柾目板材を広葉樹の皮紐でとじた方形の曲げ物をすえ、その上部外側に、側板の基礎部か或いは足掛け用とも思われる棒材を設置した設備を持っています、同時代の井戸跡は多くは素掘りで、井戸眼部にこのような内部施設を持つものは特異と云えます

E3グリッド及びE4グリッドの地山の上部から集中して須恵器や土師器の杯や皿などが一括して出土しています、その下部には地山を掘り込む浅い土坑がありますが、その直接的な関連は不明です、また、一括出土位置に北接して、覆い土に焼土と炭化物層を多く含み、須恵器や土師器の杯や皿を多く出土した第15号土坑があります、ここでは、人骨は見られなかったものの、その検出状況からいわゆる火葬跡とした第1号火葬跡も検出されています

この調査地では、覆い土に焼土や炭化物を含み、9世紀代の遺物を出土する土坑が多く検出されている事が注目されています、いずれも、生活観のない遺物の一括出土状況や火を伴う行為を思わせる土坑がある点などから、当時の祭祀的行為が想定されるのでしょうか