入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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◇三ッ和遺跡6次調査考察

この調査では、奈良、平安時代から中世に及ぶ遺構と遺物が認められました、出土遺物は、8~9世紀の土師器・須恵器・灰釉陶器・布目瓦と13~15世紀の中世陶磁器などです、中世の陶磁器には、山茶碗窯系捏鉢、常滑窯の捏鉢や甕、瀬戸窯の壷・平碗・天目茶碗・折縁深皿、伊勢系土鍋、カワラケ、そして、中国からもたらされた青磁白磁・青白磁などが認められます

布目瓦の出土は、2点と非常に少ないのですが、周辺に古代寺院の存在も考えられます、また、13世紀の伊勢系土鍋が出土していますが、周辺地域に於いても出土例は少なく、伊勢と特別な関係のある地域に持ち込まれたとも考えられます、国産陶器にも劣らないほどの出土比率のある13世紀後半を中心とする中国からの青磁白磁が多数出土したことも注目されます

遺構を大まかに時代区分すれば、第9号井戸跡、第5・11・31・32号土坑が平安時代の遺構と、第1C・2号溝跡、第1・2・3・6・8・10・11号井戸跡、第12・35号土坑が中世の13~14世紀の遺構として認められます、また、切り合う第4・5号井戸跡は15~16世紀の遺構と思われます、第4・7・13・18・19・20・28号土坑も中世のものと思われます、火葬跡も遺物はないのですが、他遺跡の出土例からみて中世と考えられます、以上、この調査地は中世を主体(13世紀後半~14世紀前半を中心)としたもののようです