入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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◇沖積低地の周溝墓の分布-5

こうした非在地系土器分布からの河川交通の推論を、より助ける遺物が伊興遺跡から出土しています、毛長川に向う斜面から検出されたミニチュアの舟型木製品です、約半分を欠損していますが、残存長17.8cm、幅4.9cm、全長30cmはあったものと推定されます、同時に出土した土器から考えて古墳時代前期のもので、準構造船を表す祭祀関連の遺物と思われます、古墳時代前期成立間もない伊興遺跡において準構造船の模型を使用した祭祀が行われていたことは、海や毛長川を利用して、人や物資を多量に運ぶ交易船の存在を示しているようです

三ッ和遺跡においても、非在地系土器の存在は、上記のような河川交通とおおいに関係するもののようです、三ッ和遺跡の立地環境は、内陸部進出への河川交通路上にあり、ライフラインの一拠点であったと考えられます