入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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俳句作り 余情

これも実際の体験ではなく、テレビ放送の画面を見ていて、感じるものがありましたので作ったものです。

    "網打ちや仕舞のシテも舌を巻き”

先日、NHKの浦安(千葉)を報じる番組で、昔、川漁師をやっていた年輩の方が、静かな川面の小船の舳先で網を投げて、魚を獲る画面がありました。網をまとめ上げ、体をひねり、投げる動作がなんとも洗練されて見事で感じるものがありましたので作りました。

始め歌舞伎の役者の大見得で表現するかと思いましたが、歌舞伎では動的過ぎて、殆ど音の無い川面での所作は能の世界に通じると思い、仕舞の演者がよいと思いました。

   網打ち=投網  仕舞=能楽で、はやし装束なしにシテ(主役)一人で舞う略式の舞

俳句では、直接的にきれいだとか、見事、かっこいいと言わないで、他の表現でどのように、見事かを言うことが読者の想像を膨らませ、句の深みを増すことになると思います。いわば云わないで云うです。

詩人 寺山修司 曰く、

俳句は非常に結晶性の高い詩型です、「いかにして何々を書かないか」「何々を詠わないか」ということが生命です。