入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

〔川口の遺跡〕

◇ 東・上ノ台・道合久保前遺跡-10

国道298号(東京外郭環状道路

新設工事に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書 平成元年

〔遺跡各説・道合久保前遺跡〕

道合久保前遺跡は、以前から広く、弥生~平安時代の遺物包蔵地として知られています、また過去に、付近より須恵器壷の出土例が報告されています、今回の調査は1000㎡が調査対象になりました

遺跡は、鳩ヶ谷支台の洪積台地上に位置します、芝川沖積地から北東方向にかけ大きく開析する侵食谷の開口部付近左岸付近の台地縁辺部に位置し、その西側は見沼代用水東縁に面し崖線を形成しています、付近の標高は15.0mです

今回の調査は遺跡をのせる台地基部から、弓状に北西へと延びる舌状部の先端部分が調査範囲になりました、なお、遺跡の西側一帯に関しては確認調査の結果、大幅な裂平が行われていることが判明したため、発掘の主体はその東側の台地縁辺に置かれました、発掘対照区域は、台地平坦部から緩斜面へと移行する部分(一部平坦部を含む)から斜面際にかけての箇所です

その結果、対象区域全面にわたり綿密なる調査を行いましたが、遺構・遺物の検出状況は、きわめて希薄であるということが判りました

遺構は検出されませんでしたが、遺物は縄文時代後期称名寺・堀之内式期とみられる土器片が少量出土しています、その他の遺物として石器が1点出土しています

これは先土器時代のナイフ型石器であり、先端部を欠損しています、この欠損部に刃部を有するものと思われ、素材は横剥ぎのものを使用しています、調整は左側縁上位及び右側縁から施され、基部も丁寧に調整されています、現存する長さ3.45cm、幅1.53cm、厚さ0.68cmを測ります