入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

《戸田の遺跡》

◇南原(高知原=たかちぱら)遺跡第5次発掘調査-2

戸田市に於ける遺跡の大部分はこの南原遺跡の位置する自然堤防上に立地しており、北側を流れる菖蒲川を渡って北に連なっています、この遺跡を含めて5ヶ所の遺跡が近在しており、いずれも弥生時代後期または古墳時代前期の集落跡をはじめとする遺跡です、以下、周辺の遺跡のおおよそを説明します

【1】は前谷遺跡で、昭和47年に発掘調査が行われており、弥生町期(弥生時代後期)及び五領期(古墳時代前期)の方形周溝墓各1基をはじめ、古墳時代平安時代の溝、土壙、ピット群の遺構や須恵器、土師器、灰釉陶器等の遺物が検出されています、特に灰釉陶器は、長頸壺・高台付皿・椀で愛知県猿投山南麓の古窯跡群で9世紀から11世紀にかけて生産されたものであることが確認されています

【2】は鍛冶谷・新田口遺跡で、埼玉県選定重要遺跡となっています、戸田市に於ける遺跡発掘調査のはじめとなったところで、市においては5次にわたる調査が行われています、また、東北・上越新幹線及び埼京線の敷設工事に伴って調査も行われており、弥生町期・前野町期から五領期の方形周溝墓群を主体とする大規模な集落跡であることが確認されています

主な遺構として住居跡39軒、方形周溝墓103基を数えるものとなっており、各遺構が折り重なるように構築されています、出土品としても弥生時代後期から古墳時代前期の土器類や同時期の勾玉や管玉等の玉類、梯子や斧の柄などの木製品等々が検出されています