入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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◇ 猿貝北遺跡(奈良・平安時代)(続々)

出土遺物は製鉄遺構としては多く、土師器・羽口・鋳型・鉄塊があり、原材料と思われる砂鉄・木炭・砂が多量に認められます、また遺構周辺には多量のスラグが散在しています

土師器は、高台付坏が多いのですが、図示できるものは少しです、10世紀代のものと考えられます、羽口は、大型のものと小型のもの(5)の2種類が出土していますが、炉壁に装着した状況のものがないため、操業時にどのように用いたかは不明です

鋳型の破片は多数あり、その多くは獣足(3・4、動物の足を模して、香炉などの脚として使うもの)であるが、中には四角い筒状のもの(6)や大型の鉢のようなものの破片もふくまれていました、鉄塊は46・5kgあり、傾斜面の下に、いわば捨てられた状態で出土しています、操業途中何らかの事情で目的と異なったものが出来てしまい、また、これを技術的に利用することができず廃棄されたものという見方もできます

猿貝北遺跡で発見された製鉄遺構の操業年代は、伴出した土師器、製鉄炉の形態などから10世紀代と考えられます