2010-11-26 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 ◇ 領家六丁遺跡(弥生時代 ) 領家六丁遺跡は、1962年、川口市領家の通称六丁と呼ばれている箇所から下水道工事中に2点の土器が発見されたことにより、その所在が確認されたものです 川口市域のほぼ3分の2を占める沖積低地帯には、過去の河川の乱流によって自然堤防が複雑に発達していますが、この遺跡も自然堤防上にあります、武蔵野台地東端からの最短郷里は約2・5km、大宮台地鳩ヶ谷支台南端からの最短距離は約3・5kmで、武蔵野台地により近い位置に当たっています、詳細な出土状態は明らかでないのですが、住居跡が存在した可能性が考えられるので、沖積低地における集落跡として注目される存在です 出土土器2点には細縄文などの文様は認められないが、下ぶくれの形状や、頸部の立ち上がり状態などは、弥生町式土器の伝統が十分に残っています、いわゆる前野町式土器であり、弥生時代終末期に位置すると考えられます 調査が進展しないうちに、殆んど市街化してしまいましたが、弥生時代から古墳時代にかけての低湿地帯における遺跡の形成を考えるうえでの貴重な一資料といえます