入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

川口の古を考える

宮脇遺跡・大字東本郷字宮脇872-13他 [5]

出土遺物・続

◇刀子(とうす)

7 は現存長9.4cm、刀身幅2.0cm、厚さ0.4cm、茎長8.2cm、茎幅 1.2cm、棟側の厚さ0.4cm、刃側の厚さ0.2cmでやや丸みを帯びています、関は両直角関で茎中程でやや幅を狭め、茎尻は先細りになっています

8 は現存長17.0cm、中央部での幅1.7cm、厚さ0.4cm、切先は緩い曲線を描いています、この7と8は同一個体と思われ、推定27~28cm程の刀子です、茎部には繊維質が残存しており、柄として布状のものを巻いて使用していたようです、茎尻には径0.2cm程の穴が見られ、目釘穴というより紐通しの穴であるようです

◇鉄族(やじり)

9・10 はともに箆被(のかずき)中程より茎先端を欠いているため鏃身形は不明です、9は現存長6.6cmで、箆被は断面長方形です、関部は棘(とげ)関です、茎には矢柄の一部が残っており、その上に樹皮がまかれています、10は現存長5.3cmで、箆被は断面長方形、関部は棘席です

◇勾玉(まがたま)

縦幅3.8cm、横幅2.3cmの「コ」字形で、断面は円形というより方形に近いです、穴のあけ方は片方からで、材質はメノウ、色調は均一でなく白と暗紅をしています

出土遺物の年代

出土遺物は出土状態から一括埋納されたものと思われ、主体部の状況から追葬の可能性もないことを考えると、埋納時に於ける時間的同時性をもつものとして良いと思われます、遺物類の比較検討から考えると、ほぼ6世紀の末から7世紀前半でもそう下らない時期の間に限定できるものと思われます、また、遺物が比較的伝世される可能性の少ない資料であるとすれば、そのまま古墳の年代としてもよいと思われます