入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

川口の古を考える

石神仲道遺跡第4、5次調査・大字石神字仲道1661-1地点他 [3]

これらの調査では多数の土坑・柱穴が検出されています、両調査で合計219基があります、それらの土坑の中で特筆されるのは、第4次調査で検出された7・30・47・52・53・64号土坑、第5次調査で検出された103・177号土坑のように、これらの期に特有の平面形態が円形で、深い掘り込みを有するものが当遺跡の小舌状台地縁辺部に構築されていることです

このタイプの土坑は過去の調査でも5基検出されており、第2次調査の7・10・12・13号、第3次調査の33号土坑がそれにあたります、第3次調査では、墓壙と考えられる土坑18基のほか、埋甕を伴う土坑2基が検出されています

これらの土坑は調査区中央部から北側に集中して構築され、中央谷部を囲むように存在しています、この土坑群上部には遺物を多く混入する黒色土が堆積し、この黒色土は北側に向い層が厚くなり、中央谷付近で消失しています、調査区西側竹林の現況においてもこの黒色土が堆積すると思われる箇所は、直径50~60m程を測る円形の盛り上りが2箇所確認できます、この環状盛土の下部に墓壙が構築されている可能性は高いのでしょう

この環状盛土の西側に隣接する枯木前遺跡でも称名寺・堀之内式期の住居址が4軒確認されています、これらのことから当遺跡に形成された後期の集落形態は、小舌状台地全体を有効に生活の場として活用し、環状盛土(墓壙)を中心に外側に住居址群、台地縁辺部に特有の土坑が配置されるという形態だったと思われます