入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

俳句つくり 余情

”明日こそと思いながらも大晦日

”強き北風(きた)一年の澱(おり)吹き払う”

”外套にくるまりて見る雪の富士”


自分の好きな12月から1月の名句です

”鶴咳きに咳く白雲にとりすがり”         日野草城

”ふと火事に起きて物食う夜長哉”          巖谷小波

”大根をかけて野川はやせにけり”           加藤かけい

”羽小板の重きがうれし突かで立つ”         長谷川かな女

”枯蔦となり一木を捕縛せり”           三橋鷹女

”湯豆腐に咲いて萎れぬ花かつを”          石塚友二

”学問のさびしさに堪え炭をつぐ”           山口誓子

”大見得の仁王が寒をひと掴み”           渡辺恭子

左義長や婆が跨ぎて火の終”           石川桂郎

”ふくろうや机の下も風棲める”           木下夕爾

”かよひ路のわが橋いくつ都鳥”           黒田杏子

”深川に雪の降り出す鮒屋かな”           石田勝彦

”鵙の声旅籠の障子歪みたる”           瀧春一

”一月の川一月の谷の中”           飯田龍太

”しずけさに加はる跳ねてゐし炭も”           鷹羽狩行

”ねがうことみなきゆるてのひらの雪”           寺山修司

”北風に光りだしたる干しうるめ”          石河義介

”一夜づつ捨て去るごとく寒を生く”          上野さち子

”鉛筆を削りしまでの初仕事”           結城昌治

”除夜の鐘ゆらりと年のうら返る”          江隈順子

”セーターの始めての赤灯に揺れて”           夏目雅子

”着ぶくれて阿吽の呼吸忘じをり”           奥田ゆふ

”冬かもめ翔(た)てば紙切れ時化の海”           木暮陶句郎

”繭玉の下にねむりし少女の日”           対馬智恵子