入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー218

先達や御師により檀那を組織化し、これに対して持っている権利を檀那職といい、相伝や譲渡・売買の対象とされました、熊野那智大社実報院に残る「米良文書」は、檀那職に関する売券や譲状を多数伝えています

蕨周辺では、「武蔵国さゝめの福蔵坊」の記事が見えます、福蔵坊は佐々目郷(戸田市)の先達とみられ、実報院の檀那職を売却した旨の売券を遺しており、熊野の修験が武蔵の地にも深く浸透していた様子がうかがえます

さいたま市緑区中尾にあった玉林院(坊)は、蕨を含む周辺地域に影響を与えた本山派の修験の寺です、修験の饗庭(あえば)家に天文22年(1553年)の聖護院門跡御教書があり、十玉坊(志木市幸町あたりにあった本山派修験)との檀那職をめぐる争いで下足立郡内の伊勢熊野先達分の檀那職を玉林坊に安堵された文書があります