入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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◇ 蕨の歴史ー215

蕨市内の神社は、和楽備神社と稲荷社(塚越稲荷社)の二社が『宗教法人名簿』に記載されています、『新編武蔵国風土記』には稲荷社・山王社など旧塚越村に五社、旧蕨宿に十社が記載されていますが三学院持や地蔵院持とあるように、そのほとんどは寺院の支配するところであり、いずれも創建年代や由緒など不明です、和楽備神社には後述するように、中世に遡る僧形八幡神像がの残されています

川口市峯にある峯ヶ岡八幡神社は、弘仁8年(817年)円仁により創立されたと伝え、また別に天慶年間(938~47年)に源経基の創建とも伝えられています、このように創建年代については伝承の域を出ず詳細は不明ですが、大永7年(1527年)に社殿を造営したことが元禄10年(1697年)銘の棟札によって知られ、また中世においては矢古宇郷の総鎮守として人々の信仰を集めていました

本殿内の僧形八幡神像は、高さ24cmと小さいですが、檜材の寄木造で頭部は胸元で差首とされ、全体に彩色が施されています、この神像は、文字通り髪を剃り法衣をつけた僧の姿をした八幡神を示し、神仏習合思想に基づいた神像であり、平安時代ごろから盛んに造られています

和楽備神社本殿に祀られている僧形八幡神立像は、鎌倉時代の峯ヶ岡八幡神社像と異なり立像でしかも天正11年(1583年)と時期的にもかなり下った像です、像高38cmと小型ですが、近隣にこうした遺例はなく貴重な存在です