入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー214

宝樹院は芝長徳寺末で、『新編武蔵国風土記稿』によると開山を正宗廣知といい「正慶元年(1332年)寂す」とあるので、鎌倉時代末期の成立とされます、同寺は渋川氏の菩提寺といわれていますが、文書や記録などで渋川氏の動向を伝える史料は残されていません

しかし境内には文化13年(1816年)に渋川氏夫妻二百五十年忌の角柱塔婆が2基あります、そのうちの1基は、「龍體院殿自山貞性大姉塔」とあり、永禄10年(1567年)に里見氏との戦いで戦死した渋川公の死を悲しんで榛名湖へ入水した夫人を祀った、いわゆる龍体伝説に関する塔が渋川氏家臣の子孫により建立されており、渋川氏と同寺を結び付けるよすがとなっています

悉地院(しっちいん)は、現在瀧澤家の墓地内に小堂があり『新編武蔵国風土記稿』には文亀2年(1502年)の草創、開山宥鎫(ゆうばん)とあります、瀧澤家墓地には応永18年(1411年)、大永年間(1521~28年)銘とともに鎌倉時代末期と推定される大型の阿弥陀種子板碑の部分が残されています