入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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◇ 蕨の歴史ー207

蕨市は市の面積も狭く、年代のわかる板碑自体の数も少ないので、便宜的に蕨に隣接する川口市戸田市を含めた10年ごとの推移を示したのが上の図表です、川口市の板碑は907基のうち574基、戸田市の板碑は243基のうち146基が紀年銘が確認できます、戸田市新曾の観音寺にある建長5年(1253年)銘の阿弥陀一尊種子板碑が最も古い年号ですが、板碑の組織的な造立は1280年代に入ってから本格化していることが判ります

(現存する最古の板碑は、大里郡江南町にある嘉禄3年(1227年)の紀年をもつ阿弥陀三尊画像板碑です)

その後は1320年代から1370年代にかけて板碑造立の最盛期となります、この時期のものは本法院の暦応4年(1341年)銘阿弥陀一尊種子や和楽備神社の貞和5年(1349年)銘阿弥陀一尊種子に代表されるように紀年銘のみか紀年銘に花瓶を伴うものが多くなります、この傾向は川口市戸田市をはじめ東京都北区や足立区など広い範囲にみられ、花瓶の形や種子にも共通した技法がうかがえます