入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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◇ 蕨の歴史ー206

しかし、これとほぼ同様の形態をもつ板碑が川口市南町の吉祥院にあります、これは阿弥陀如来の種子であるキリークを本尊とするもので、もとは川口市西川口にあった正福寺から出土したものです、さらに蕨市南町4丁目の板倉家には徳治3年(1308年)銘阿弥陀一尊種子、和楽備神社には正和2年(1313年)銘阿弥陀一尊種子の板碑があります

特に和楽備神社の板碑は、上部の枠線上の後世の追刻がありますが、紀年銘の両側の「帰命本学心法身大日如来に帰命し奉る)常住妙法心蓮台(清浄なる妙法の心蓮台に住し) 本来具足三身徳(本来の三身徳を備え) 三十七尊住心城(三十七尊の心城に住す)」の偈が刻まれています

またこの板碑は、左右に立ち上がった蓮座に独特の形態をもっていますが、これと同型のものが東京都北区岩淵町(現在は杉並区役所所蔵)と足立区鹿浜宝蔵寺にあります、特に北区旧在のものは正和5年(1316年)の紀年銘があり、明らかに同じ石工か工房で製作されたもので、板碑の生産と流通を考える上で貴重な例です