2011-10-02 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 ◇ 蕨の歴史ー202 このような給分とは別に棟別銭や諸公事免除などの特権を与えられた職人衆がいます、その一つが岩付の渋江鋳物師(いもじ)です、渋江鋳物師は、渋江郷(さいたま市岩槻区渋江=宮町)に居住したと言われますが、岩槻区村国に鋳金遺跡が残っていることから、ここを中心に活動していたと見られます 鋳物師の活動は室町中期にはすでに見られ、歴代の岩付城主にも保護され太田氏資が永禄7年(1564年)、後北条氏が天正2年(1574年)、太田氏房が天正15年諸公事免除を行っています 作例としては、日高市聖天院に鬼窪郷佐那賀村久伊豆神社旧蔵の応仁2年(1468年)銘の渋江満五郎作の鰐口と、岩槻区大光寺に渋江住泰次作の文明6年(1474)銘の鰐口が残されています 一方、柏原(狭山市・川越市)の鍛冶集団には棟別銭が免除されていました、また、河越鍛冶や鉢形鋳物師は伝馬の使用が認められています、つまり、戦国大名は、鋳物師集団に軍用品の製作に従事させるべく掌握する必要があり、彼らを手厚く保護したのでしょう このほか武蔵国では、金屋(かなや・児玉郡児玉町)、越生(比企郡越生町)の鋳物師の活動が確認されています