入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー193

さらに、六斎市の発展の大きな要素として、戦国大名の保護と統制があげられます、この時期蕨周辺は、後北条氏支配下にあり、直接の史料はみられませんが、同氏発給の史料から推定することができます、それらは市場法と言われるもので、市の秩序維持と繁栄を求めたものです

後北条氏関係発給文書の代表的なものとして比企郡井草宿にあてた岩付城主太田氏房の印判状があります、これによれば、井草の市は、後北条氏により1・7の日に開かれる六斎市として定められ、3ヵ年の諸役が免除されるなどの市の保護が行われています

元亀2年(1571年)松山町(東松山市)にあてたものによると、①借銭・借米がある商人でも、その返済を催促したり、債務のかたに荷馬を差し押さえてはいけない、②濁り酒屋で乱暴をはたらいてはいけない、③市の日には宿の下人に買い物を運ばせたりすることはできない、④定めの陣夫3人と馬3疋以外の勤めはしなくてよい、⑤飛脚を出すことも町人たちは断れる、⑥宿中のものには、ぬり物役と炭役などの営業税が免除されています

そして押し買・狼藉は御法度であることはいうまでもなく、どこの足軽・小者・中間であっても違反の者は召し捕ってよいというもので、市の自治権が広く認められていました