2011-09-15 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 ◇ 蕨の歴史ー185 ◎ 土田郷 現在の戸田市の中央部から東部にかけての地域と思われます、土田郷は栃木県日光市輪王寺所蔵の「大般若経」に「応永3年10月18日 武蔵国足立郡土田 教蔵生年37才」と見えるのが初見です 川口市芝の長徳寺住持の寒松(かんしょう・正式には龍派禅珠)の記録『寒松稿』によれば、寛永6年(1629年)5月3日条に、「武蔵州、足立郡、土田郷、瑞光山、開善古禅刹者、湘之建長、伝燈之創業大通禅師之開山也」とあります、開善古禅刹とは記録内容から現在戸田市上戸田3丁目にある海禅寺のことと思われます 海禅寺のことは「同日記」寛永12年2月10日条にも見え、また同寺があった土田郷については慶長17年(1612年)2月23日条でも「武蔵州足立郡土田郷」と見えています、輪王寺所蔵の奥書に見える地名には、大宮・与野・浦和各市内の地名も見えることなどを考えるとき、瑞光山開善寺」のあった「土田郷」とは現在の「瑞光山海禅寺」のある戸田市上戸田と下戸田を含むあたりのことと思われます この地域は蕨郷・佐々目郷と鳩ヶ谷郷・矢古宇郷とに囲まれた地域であり、古くから開発が行われていた所と思われます