蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇　蕨の歴史ー１７８

浅野長吉は城を明け渡せば士卒奴僕に到るまで助命する旨を使僧に伝えました、伊達与兵衛は先の攻撃で、諸士に抜きんでてめざましい働きを示した鳥居隊に城を明け渡すことを表明したため、鳥居元忠は与兵衛から本丸を受け取り、浅野長吉に渡しました、ここに関東の要害岩付城は豊臣側の手中に帰したのです

岩付合戦の折、浅野勢は当地不案内であったため、浦和宿星野本陣家の先祖といわれる加藤甚内とその婿養子権太兵衛の２人を召し出し、案内を申し付け首尾よく落城となりました、浅野長吉らは大変喜び、褒賞を与えると共に甚内を浅野家に召し抱え２５０貫文の知行地を与えました、甚内の子孫は安芸（広島県）に移り長く浅野家に仕えたといいます

家督を譲られた婿の権太兵衛は姓を再び星野と改めました、そして、褒美として浦和宿の市場開設を許され、秀吉から朱印状が給付されました、さらに、関東一般市場取締役に任命され、苗字帯刀御免、桐御紋付香合を拝領し、徳川家康入国後も引き続き名主・問屋を勤めたと言われます